さらに呆れた顔で溜息をつくユリ。



「これで皆からは天使とか呼ばれてるんだもんね。呆れる。」



失礼な。



確かに天使というあだ名はあってないけど…。



「ユリも私と行ってみる?夜の街。」



「は?いや。あんな愚民どもが行くようなところよく行けるわね。」



愚民どもって…。



流石ユリ様様。



「おはよう紫緒、百合華。」



声が聞こえて後ろを向くと、見慣れたある男子生徒の姿が。



「恭也。おはよう。」



真崎恭也。



私とユリの幼馴染で、端正な顔立ちに優秀な頭脳、そして優しい性格を持つ非の打ちどころがない人。


そして大富豪の息子で、この学校では王子様と呼ばれてる。



「紫緒、顔色悪いけど、大丈夫?」



恭也にも言われちゃったよ…。