最新型のスマホをいじるユリに見ていると、教室のドア付近に恭也が友達と楽しそうに話していた。
「!」
目があった。
でも、すぐにそらされた。
やっぱり、怒ってる?
「話してきなよ、恭也と。」
スマホをやりながらどうやって気づいたか知らないけど、そう私に言うユリ。
「言われなくてもそうするよ。」
このまま変な距離があるのもいやだし。
席を立って、恭也たちの方へと向かう。
「紫緒ちゃ~ん!どうしたの~?」
その中にはルイくんもいるわけで、最初に声をかけられたのは彼だった。
もちろんただ微笑むだけで、
「ちょっと恭也、借りるね。」
と言って、恭也の腕をつかんだ。