「唯斗くん、原くん、ごめんなさい。後日、学校にうかがわせてもらってもいいかな?」



今話したいところだけど、とりあえずユリを追わないと。



「こっちこそごめんなさい。あの方にもまた謝っておいてください。」


なぜか唯斗くんが謝っているかわからないけど、とりあえず代金を置いてユリのところに行かないと。



そう思い、3000円を唯斗くんに渡し、席にある荷物をもって、店を出た。



「あ、ユリ!」


見慣れた後ろ姿を見つけてそう叫ぶと、ユリが振り向いた。



「何よ。」



「もう、あんな騒ぎ起こした後一人にしないでよ。」


怒りたい気持ちはわかるけど…。



「本当最悪。これ、お気に入りだったのに。」



ドレスをつまみながら不機嫌な顔をするユリ。



「天下の本郷家に頼めば、それくらいなおせるクリーニング屋なんて簡単に見つかるでしょ。」



「でももし落とせなかったら、あの原っていう男に全部弁償させるんだから。」