「へ~。で、その男の詳細は?」
パラパラとメニューに目を通すユリがそう聞いてくる。
「九条唯斗くん。私たちの一つ下で、高1。skyっていうバーで働いてるの。」
少ししか知らない唯斗くんの情報を話すと、ユリは信じられないという顔をした。
「年上キラーの紫緒が、年下?!本当なんなのこの男。」
まあ、確かに私はなぜか年上の人としか付き合ったことがない。
同級生も一度もないし、もちろん年下もない。
驚いてもしかたない。
「で、この年下庶民男のどこがいいわけ?」
唯斗くんの方を見ながらそう聞く。
「う~ん、なんだろう。まだあったばかりだし何も知らないけど、ちょっと興味を持っただけ。」
あと、雰囲気?とかがなんか他の人とは違うっていうか…。
「ふ~ん。それよりなに頼めばいいわけ?こんな安っぽい料理、私の口にあうわけないじゃない。」
メニューに乗っている料理を顔をゆがませて見るユリ。
「以外とそんなことないかもよ?頼んでみればいいじゃない。私はハンバーグにするから。」
「はぁ?!あんたこんなところの肉なんてろくなの使ってないわよ?!」
不機嫌になるユリを無視して、
私は注文のボタンを押した。