あれから数時間。
「紫緒、あんた買いすぎよ。どんだけストレスたまってたわけ?」
笑いながら私の手からぶら下がっている服、バッグ、靴、宝石店の袋を見る。
「そういうユリだって負けてないじゃん。」
もちろんユリも大量の袋を持ってる。
そしてこれだけの高級ブランドの袋を大量に持っているわけだから、すごく目立つ。
通り過ぎる人たちには必ず二度見されるほど。
「もう3時?お昼食べそこねたわね。」
「そうだね。今からカフェにでも入る?」
あたりには食べ物屋さんがいっぱいあるからどこに入ろうか迷っていると、
「え、」
空くんがいた。
ファミリーレストランでウェイターをやっている唯斗くんが。
「何?どうしたの紫緒」
不思議な顔をするユリを、
「行こう。」
私はファミリーレストランへと引っ張っていた。