カウンター席へと私を招くおじさん。
「お嬢ちゃん未成年だろ?飲むもん限られてるぞ~。」
え?
この人、どうやって私が未成年だってわかったんだろう。
このメイクでこの服装をして未成年って見抜かれたことなんて一度もないのに。
「シンデレラで。」
「あいよ。」
ノンアルコールカクテルを頼んでから、店内を見回す。
客は数人しかいなくて、バーテンダーもこのおじさん一人しかいない。
この店、儲かってるのな。
「お嬢ちゃん、なんで昨日先に帰っちゃったんだ?」
シンデレラを私の前に置きながら、そう聞くおじさん。
「用事を思い出したんです。」
「あんな夜遅くにか?」
鋭いな、この人。
私が逃げたって知ってるんでしょ。