暖かい日差しで目が覚める。
「ん…。」
もう朝?
完全に寝不足だ…。
眠くてベッドの上でぼーっとしていると、部屋の外から声がした。
「お嬢様、朝食の準備ができておりますが…。」
控えめな言い方からして新人メイドだろう。
「うん、すぐ行く。」
私の名前は三国紫緒。
慶山学園高校の高校二年生で、三国グループの一人娘。
「うわ、顔色悪すぎ…。」
そして鏡の中をのぞいてみると、青白い顔をした自分がいた。
長いハニーブラウンのウェーブがかかった髪。
髪と同じ色彩の薄い色の大きな目、長いまつ毛。
よくフランス人形みたい、とか言われるけど、私はこの外見が嫌い。
血の気のない人形みたいで。