そして食べるのが終わってデザートと一緒に紅茶を飲んでいると、
「お、紫緒ちゃんとユリちゃんじゃ~ん!」
ルイくんと恭也がいた。
西園ルイくんは恭也の親友で、三国家のお得意様で主に美容関係を扱う西園グループの御曹司。
フランスのクオーターで、天性の女たらし。
いつもニコニコしてるけど、つかみどころがなくて本当は何考えてるんだかわからないような人。
「今私と紫緒はティータイムなの。邪魔しないで。」
そしてそんなルイくんが大嫌いなのがユリ。
今も棘のある言葉を投げつけてルイくんを睨みつけてる。
「ま~ま~、そんな怖い顔したら綺麗な顔が台無しだよ、ユ・リ・ちゃん?」
自分が嫌われていることをわかっていながら、むしろそれを逆手にとって楽しんでるルイくん。
「おい、止めろよルイ。」
「え~?つまんね~の。あ、紫緒ちゃんさ、今度うちこねー?母さんが是非紫緒ちゃんに新作の化粧品を試してほしいって!」
恭也に注意された後、今度は私に話しかけるルイくん。
新作の化粧品か…。
どうせ家に呼び込む口実だろう。
そんな彼に私は返事をせず、
ただ微笑んだ。