「お~い唯、起きたか~…って起きてるじゃん。」


そして次に部屋に入ってきたのは20代後半か30代前半のおじさん。


少しひげが生えていて、色気をむんむんに出してる人。



「ただの寝不足だと思うけど、大丈夫~?唯が女の子抱きかかえて帰ってくるからびっくりしたよ~。」



ハハハ、と笑いながら言うおじさんに対して、顔を赤くする唯と呼ばれる男子。



「ありがとう。」



そう微笑みながら言うと、彼はさらに顔を赤くしながら、



「い、いえ。」



と言った。



なんか、可愛い。



そう、無意識に思った。



「お嬢ちゃん、もうそろそろ帰んなくていいのか?」



おじさんにそう言われて時計を見ると、もう11時を回っていた。



「ええ、もう帰ります。どうもありがとうございました。」



お辞儀をして帰ろうとすると、



パシッ



おじさんに腕をつかまれた。