琉は黙ったまま静かに時が流れた
琉「…お前等にはかなわないな……
さんきゅ…桜…蓮」
今の琉を見てると分かる
普段すごい無理してたんだって
そして琉はゆっくり話し始めた
琉「だいたいの話はお前等が華さんから聞いた通りだ
けど…最初はあの女も俺の事大事にしてたんだ。あの時までは」
琉のお母さんが琉を大切にしていた―…?
そこには華さんも知らない琉の悲しい過去があった
琉「桜は写真を見たからだいたい分かるだろ」
桜「まぁ…あの写真を見てそう思わない人なんていないでしょ」
蓮「ならどうして…」
琉「最初は大事にしてくれてた
けど俺を育てるのもだんだん疲れてきて酒に溺れたり留守にする事もあった
それでも俺は母さんが好きだったんだ
母さんが帰ってくるのをずっと待ってた
だけどあの女は帰って来てはあんたさえ居なければってずっと言ってたよ
勝手に産んだくせにな
それからある出来事がきっかけで俺は捨てられた
――俺が3歳になった頃
その頃から霊が見えるようになったんだ
けどまだ幼かった俺はそれが霊だって事知らなくて気味悪がった母さんはとうとう俺を捨てたよ
只でさえ疲れるのにこんな気味悪い子が生まれてもういらないバイバイ琉
それが最後のあの女の言葉
次に気付いたのは病院のベッドの上だった」
ひどい…ひどすぎる
琉の事なんだと思ってるの…母親でしょう?
桜「………蓮…」
琉を思うと涙が止まらなかった
琉「…なんでお前が泣くんだよ」
蓮「だって…」
琉「…泣き虫は変わらねえな」
琉は小さく笑った