――…ここはどこ?
海?それにしては暗い…


みんなどこ?


辺りを見渡すと遠くに桜の後ろ姿があった
でも桜はどんどん遠く離れていく


蓮「桜っ!待って…っ」

だけど追いつけないまま消えてしまった

次に見つけたのはなお
悲しそうにこっちを見ていた


私が気付くと向こうを向いて離れていった



蓮「待ってなお…っどこ行くの!?」


そしてなおにも追いつけないまま消えてしまった



蓮「はぁ…っどうして…行かないで…」


私の瞳から涙が流れる



「――…蓮…」



私を呼ぶ小さな声
振り返るとそこには琉が居た



蓮「琉っ!」



だけど琉も行ってしまう



蓮「あ…やだっ琉、待って!」


必死で前に進むけど追いつけない



蓮「待って琉!行かないでっ」


しかし私を行かせないように何かが腕を掴んだ



――…霊!!

気付けば霊が集まり私の体中を掴んでいた
そうしているうちに琉はどんどん遠くなる



蓮「いや…嫌っ離して!
―琉待って!行かないで!私を置いて行かないで!!」――――…



直人「―ん……蓮!」


気が付くと私は自分の部屋に居た



蓮「―…なお?」



直人「うなされてたぞ。大丈夫か?」



蓮「…あ…うん大丈夫…」


怖かった…あの夢……



でもなおの顔を見たらどこか安心した



桜「蓮良かった無事で…
なおがここまで運んでくれたんだよ?」



蓮「桜…えと…私どうしたんだっけ…?」




直人「お前過呼吸になって倒れたんだよ
気失って息してなくて…」



なおの顔が少し赤くなった



桜「…なおが人工呼吸したんだよ」



蓮「えっ!?」



人工呼吸ってもしかして…っ



直人「ごめん蓮!
とっさだったとはいえあれだよなっ
本当ごめん!殴ってもいいから!」


慌てて謝るなお
正直私もびっくりしてるけど…


蓮「なんで謝るの?
なおは私を助けてくれたんでしょ
怒ってないよ。ありがとうなお」


なおは安心したように笑った