華「蓮ちゃん直人君、琉の事よろしくね」


華さんは最後にそれだけ言って私達はお寺を後にした

桜も悲しそうな顔をして戻って来ていた


帰り道、私となおの間に沈黙が流れる



蓮「なお…今日…本当にありがとう」



直人「いや…別に」



なおの様子がおかしいと私はすぐに気付いた



直人「…なぁこんな事聞いちゃ悪いかもしんないけど華さんが言ってた蓮に憑いている霊ってまさか桜先輩なのか?」



ドクンと私の鼓動が高く脈打った


なお―…

ど、どうしよ…まさかなおがそんな事言うなんて

なおは真剣な顔で私を見ていた



直人「蓮答えて」



桜「…蓮、なおも薄々気付いてる
私は大丈夫だから言って?」


桜……
でも私は知ってる
なおは桜が好きで私はなおから桜を奪ったんだよ

私のせいで……



――胸が…苦しい



蓮「…はぁ…っ…なおの言う通り…桜だよ…」


直人「やっぱり…」



苦しい―…


ポタッ―…

蓮「は…っ…ごめ…っごめんなさい…っ」



息が出来ない……


蓮「はぁ…っはぁ…っ」


気付くと私は過呼吸になっていた


桜「蓮っ!」


直人「おい蓮っ!落ち着いて呼吸しろ!おいっ」