あそこの公園は日が暮れるまで遊んだ

そこのクレープ屋さんは学校の帰り道によく寄った
桜は苺が大好きだからよく苺のクレープを美味しそうに食べてた


あそこのケータイショップは私が初めてケータイを買った所
桜が一緒に私に合うやつを選んでくれた



蓮「―――…っ」



この街には桜との思い出がたくさんあるの
桜が居なきゃ出来なかった思い出


蓮「……寂しいよ…桜…」


私は静かに涙を流した




*桜*


桜「…………」



『どうしたのそんな顔して
やっと目障りだった妹から離れられたのに』


目障り?私が…蓮を?


そうよ蓮のせいで私は死んだの

――――――――…


蓮「…っく…グス……桜!」


――――――――…


―――…違う。蓮は泣いていた
私の為に…


私はあの時自分の命より蓮を助けなきゃって思った
車に引かれた時微かに残る意識の中私の名前を呼ぶ蓮の姿を見て私は安心した


"蓮なんて居なきゃ良かった!!"


ズキ……


私…蓮になんてひどい事…
蓮はずっと自分のせいだって苦しんで居たのに…


桜「――私…行かなきゃ」


蓮の所に!


『行くってどこに?』


桜「蓮の所よ!…蓮に謝らなきゃっ
きっと傷ついてる!」



『…どうして……どうしてなの……
させない…行かせない!!』


………体が動かない!



『待ってて。今すぐあの子を殺してあげるから』



桜「――!?やめて!!蓮に手を出さないで!」



だけど霊は笑いながら姿を消した



桜「――蓮っ!くそっ…動けっ…!」