*琉*
蓮…かなり思い詰めてるな
俺は今までずっと蓮と桜を見てきた
だからあいつ等がどんなにお互いを大事にしてるかあいつ等の絆がどんなに強いか分かる
さっき蓮の部屋に飾ってあった桜との写真…
霊視してみたら間違いなく桜に霊が取り憑いてる
恐らく今回の事はその霊の仕業だ
とにかく桜を探さないとな
俺が取り出したのはさっき蓮から借りた桜の写真
これを使って桜を探し出す
写真に意識を集中する
……こっちか…
着いた所は小さな丘の上
見晴らしがよく海が見える
…ここも桜と蓮の思い出の1つか
そこにはボーっと海を眺めてる桜が居た
琉「桜」
桜「―――…琉…?なんで琉が…」
桜は俺を見て驚いてる
まだ桜自身の意識は残ってるみたいだな
琉「戻るぞ。蓮が心配してる」
桜「蓮が…?」
『騙されちゃ駄目よ』
桜「――っ嘘よ
蓮が私の心配なんかする訳ない
蓮はずっと私の事を妬んできたのよ
そして蓮の所には帰らない
蓮が居たから私がっ……帰ってよ!!」
『クスクス…そう誰も信じちゃいけない』
…霊が居るのは確かだけど姿が見えない
桜はそのまま姿を消し同時に霊の気配も消えた
琉「―――……」