―――…コツ…


蓮「私もご一緒していいですか?」


母「…ええ、もちろん」



私は美羽ちゃんお母さんの隣に座り一緒に手を合わせた



母「…誰か亡くなられたの?」



蓮「…2年前に姉を…」



母「そう…私の娘もここで死んだの
美羽って女の子なんだけどいつもママ、ママって私の後ろついて来て…」


蓮「そうなんですか…
お母さんの事きっと大好きなんですね」



母「…いいえ美羽はきっと私の事を怨んでる
わがままも聞いてあげれなくていつも我慢ばかりさせて…
美羽が死んだのも私がちゃんと側に居なかったから…」


お母さんの目から涙が溢れる


お母さんも美羽ちゃんもずっと苦しんでる……だから…



蓮「……"そんな事ないよ
美羽はママの事大好きだよ"」



母「……あなた…?」



蓮「…今のは美羽ちゃんの言葉です
気付いていますか?美羽ちゃんはずっとお母さんの側に居ますよ」


母「――美羽が?嘘…そんな…まさか…」



蓮「本当です
私がこれから言う言葉は全て美羽ちゃんの言葉です
信じる信じないはお母さん次第です」



教えて美羽ちゃん
あなたはお母さんに何を伝えてに来たのか…



美羽『……―ママ私…』


蓮「…私ママの事怨んでないよ
ママのせいだなんて思ってないよ
ママもう泣かないで。美羽は大丈夫だよ
美羽ママの笑った顔大好き」



母「―本当に…美羽…?」



蓮「『もう泣かないで
美羽ママと居て幸せだったよ
ママありがとう…ママずっとずっーと大好き』」



母「――っ美羽…!」



美羽ちゃんの思いはちゃんとお母さんに届いた


美羽ちゃんの姿が消えていく中で美羽ちゃんは



美羽『お姉ちゃん達ありがとう』

と笑って消えていった


桜「良かったね美羽ちゃん…」


私と桜の目からも涙がこぼれていた


母「…ありがとう
最後に美羽に会えた気がしたわ…

もう泣いてばかりいられないわね
美羽の言うとおり笑って頑張らなきゃっ」


お母さんの顔からはもう涙は消えていた



蓮「はい!」



その後お母さんは穏やかな表情で帰っていった



蓮「良かった…」



桜「本当ね。でも…全く蓮もお人好しなんだから」



蓮「いいでしょ?この力が誰かの為になるなら」


そう、私はこの力で誰かを助けるのが小さな幸せだった


この力を持って嫌になった事なんてない
この力で誰かを幸せに出来るんだったら
そのために私は使いたい



桜「……ふふ私蓮のそうゆう所好きだよ
さっ、帰ろ」




―――この時は本気でそう思ってた
この力のせいでこの先何が起こるかなんて
想像もしてなかったの



――――ガサッ…




琉「………」