二十三歳の時に同窓会の知らせが来ていた。
僕は、建設業界に入りあちこちを転々としていた為にそれが二度目の同窓会だという事を初めて知って行く事にした。
ホテルの広間を借りきっての同窓会のようだが、僕はジーンズにTシャツで行った。
驚いたのが、男はほとんどがスーツで女もかなりお洒落をしていた事だったが、仕事で都会や田舎海外まで行っていた僕にはそれが逆に田舎臭くダサく思えた。
立食パーティー形式で行われていたが、僕は隅の方で飲み物だけ取って観察していた。
中にはあー!!懐かしいと話しかけて来る男や女も居たが転校生だった事も有るのかそれとも余りにラフな格好が敬遠されたのか余り僕に話しかけてくる人間は居なかった。
そういう中で高級そうなスーツ姿の背の高い男が僕の所に来て懐かしいなと言った。
福永だった。
しばらく立ち話しをしてると父親の会社に入り順風満帆だと言うのが分かった。
話していると言葉の端々に自分は、お前とは違う世界で生きてるという感じを受けたが特に気にしなかった。
しかし、福永の放った一言が僕を神経に触った。
プロレスごっこの時はお前も原田も情けなかったよなと言ったのだ。