「ーーーうっ!」
急に目元に痛みが走り、俺は手のひらで目を覆った。
な、なんなんだこれは…!
しばらくすると痛みがとれ、恐る恐る目から手を離す。
「っ…!」
思わず驚愕してしまった。
「なっ……」
俺の目はーーー
見えるようになっていたのだ。
初めて得る感覚。
夢の中にいる、そんな感じがした。
ーーーポチャン…
ふと目の前の光り輝く泉に映る自分の姿に目を向ける。
俺の目はーーー
綺麗な色に染まっていた。
俺は色を知らない。
だが、これが明らかに綺麗な色だということは直感的に分かった。
ミラの映像から見た俺の瞳の色では決してない。
これはーーー
何色というのだろう。
「ふっ…」
なんとなく分かったような気がした。
シーナが言っていた鷹目の瞳の色。
きっとこれはーーー
エメラルドグリーンだ。
「…鷹目」
シルクハットを見つめた。
ボロボロになった鷹目のシルクハット。
「俺はこれをジョークとは受け取らないからな」
鷹目。
お前がくれたんだな。
この『目』は。
分かったよ鷹目。
救ってみせる。
俺はーーー
全てを、
救ってみせる。