ーーーそしてとうとうその日は来た。
「きゃああああ!!!」
「っ!」
振り向いた先の光景に俺は目を見開いた。
今にも赤子を取られそうになっている母親。
ーーーニカとシーナが頭をよぎった。
「っ…!」
俺は駆け出していた。
イーグルの銃を構え、弾を放つ。
バンッ!
バキッ!
「た、鷹目だぁ!!」
尻尾を巻いて逃げていく奴隷売りたち。
「ーーー大丈夫かい?ママさん。もうそんな目に合わせるなよ?」
ーーー母は強くあるべしだっ!
シーナ、しばらくニカと離れるはめになるとは思うが待っていてくれ。
お前は誰よりも強いって知っている。
兎がニカを連れてくるのをーーー
待っていてくれ。
「…はっ!」
しまったと思った。
兎から目を離してしまった。
それと同時にーーー
鷹の目に映り込む、銃を構えた黒犬の姿。
「兎、危ない!!!」
バンッ!
「うっ…」
俺の胸を貫く銃弾。
俺はーーー
パタン…
その場に倒れた。