もう君がいない

それも噂の原因になったのかもしれない。


でも、光貴は噂のことを特に気にしてる様子もなかったし、私も誤解を解くために何かするってことはなかった。


言いたい人には、勝手に言わせておけばいい。

そのくらいにしか思ってなかった。



それに、、


「ずっと好きだったんだ。俺と付き合ってくれない？」


「ごめんなさい。私、好きな人がいるから。」


「宮下と、本当に付き合ってるの？」


「ううん、光貴とは何もないよ。他に、好きな人がいるの。」


「そっか。」



モテたのは光貴だけじゃなくて、なぜか私も告白されることが多かった。


その度に私は、光貴とは付き合ってないけど、他に好きな人がいると断った。

もちろん、私はずっと蓮を待っていたから。


そのこともあって、私と光貴が付き合ってるって噂も、少しずつ聞かなくなっていった。



その代わり、光貴を好きな女子の一部から、陰口を言われることもあった。


「好きでもないなら近づかないでよね。」

「好きな人にフラれた時のために、宮下君をキープしてるんだってよ。」

「かわいこぶって、ただの男好きじゃん。」


でも、それは本当にごく一部の人たちだけだったから、大事にはならなかった。


それに、そういうのが聞こえるたびに、美雪や荒木君が言いたいことあるならはっきり言えば？なんて言い返してくれて、私を守ってくれた。


本当に頼りになる友達なんだ。