能面のような無表情のまま、深く、アギが息を吐き出す。

「……それが、お前の希みなら」

 粗末な卓子に盥を置き、潔く背中を見せる。

 その迷いのなさが余計にシェイスの気持ちを逆撫でした。

 少しぐらい抗えば好いのに。

 簡単に諦めるから、シェイスは疑ってしまう。

 疑いに、納得してしまう。