「サディマ、長姫の具合はどうだ?」

 水の入った盥を片手に、アギが部屋に入ってくる。

「毒消しは入れた。

 それほど元々きつい毒じゃなかったらしいね。

 何日か休めば、動けるようになるだろうよ」

「そうか」

 あからさまにほっとした様子をアギが見せる。

 それさえも、シェイスには癪に触った。