「お前の願いは、なに?」

 窓辺に佇む佳人がまず、最初に口にした台詞はこう。

「……あんたが最初に訊ねるべき問いは、それなの?」

 脱力と薄気味悪さを感じながら、シェイスは彼女を見る。

 王の妃であり。

 神の巫女であり。

 また偽りの聖女でもある女。

 彼女を、髪の先から爪の先まで観察をした。