【三浦　篤】


教室から出て来ためぐは、僕達をすり抜けて走り去った


「遠藤先生、逃げられました……」

「チッ」


哲の機嫌が最高に悪い

こいつは、昔グレてた

10歳離れためぐを、剛より可愛がってて

めぐのお母さんが亡くなった時から

真面目になった


「遠藤先生、森永さんはあなたが心配するほど、子供ではありませんよ
色々あるんですから、たまにはそっとしてあげましょう！」


めぐは、優しい子だから


どんなに自分の容姿が嫌いでも
親から貰った、大事な体を傷つけることは
絶対しない



僕は、めぐちゃんを守る



その約束は、ちゃんと果たせているだろうか


不安になりながらも



哲と剛に、めぐから連絡あるまでするなと
言った



２人は、感情任せに動くし、言ってしまう



僕から親父に、話しておいた












家に帰ると




「今から、めぐが来る」



親父の言葉に


そわそわする剛を座らせ

未だ機嫌の悪い哲にため息漏らす


親父が僕達に言った


「めぐが、２人で話したいと言えば
２人で話すから、邪魔するな」


僕達は、頷く










しばらくして、めぐが来た

「どうする？私の部屋に来るかい？」

「ううん、皆にも聞いて貰う！」





リビングにも、聞こえた