なに作ろう……。

料理は得意な方だけど、人に作るのってなんか緊張するな……。
そう思いつつ、エプロンをつける。

「おーい」

みずきだ。

「どうしたの？」

「なんか手伝うこと…ある…か？」

なぜか、みずきはうちを見て止まった。

「んー、多分大丈夫、ありがとう」

「おう、てか制服着たままやんの？」

「うん、だめかな？」

「汚れねー？」

「エプロンしてるから、大丈夫だよ」

「そっか」

みずきはそう言って、リビングに戻っていった。

うちは、オムライスを作ることにした。

チキンライスを作って、卵を割って……。

「よし！できた！」

「できたー？おぉ、うまそうだな」

そう言ってみずきは、さり気なくできた料理を机まで運んでくれた。

「いただきます」

「……いただきます」

私はドキドキしながらみずきがオムライスを口に入れるところを見守る。

「……どうかな？」

「うまっ！料理できるんだな……てか、お前……エプロン」

「え？」

自分の服を見ると、エプロンを付けたままだった事に気づく。

「あっ！」

「ふふ……はは……普通気づくだろ……」

恥ずかしい……。めっちゃ笑われてるし……。

うちは急いでエプロンを脱いだ。

「まぁ……似合ってるからいいけど……」

「え？」

「いや、なんでもねぇ」

「………」

それからみずきは黙ってしまう。

どうしよう……。なにか話しかけた方が良いのかな……。

チラッとみずきをみる。

「なに？」

「へ？！あ、あのさ、冷蔵庫にケーキあるけど、食べる？」

「食べる食べる。けどよ、お前まずオムライス食えよ……」

「あ……」

「食えねーの？」

「あー、うん、今日あんまり食べれないみたい」

本当は食べれるんだけど……。流れでそういうことになっちゃった……。

「じゃあ、俺食う」

そう言って、うちの残っていたオムライスを全部食べてしまった……。