「なんで、うちの家に来たの?」

私は不思議に思って聞いた。

「本当になんも聞いてない?」

「うん」

おかあさんからなにか言われた記憶はない。

「俺さ、いろいろ事情があって、帰るのが遅くなってさ、昨日帰ってきたんだけど、まだ荷物が家に届いて無いんだよ。それで、ここに泊まらしてもらうことになったんだけど」

「………」

「聞いてるか?」

「え!?うん!聞いてる聞いてる!」

なんで!?うちに泊まる……。そんなの、いいの!?親がいるから大丈夫だよね!?

「まあ、そんなわけだから、よろしくたのむわ」

「……うん」

「………」

沈黙。

「なぁ」

「はい!?」

うちは緊張のあまり声がうらがえってしまう。

「そんな緊張しなくていいから。なんもしねーし」

「別に緊張なんてしてないから!」

「そうか?」

「……あ、さっきお腹空いたって言ってたよね!なんか作るね!」

「おう」