クシャクシャの紙によれよれの文字で書かれた2人で行こうと約束した場所。

「手が動かないから口で書いたんでしょ?汚くてなんて書いてあるのか最初わかんなかったよ」

ずっと我慢していたものが目から溢れてきた。

「泣いてなんかないよ。せっかく2人で海に来たんだもん。楽しいのに…だから泣いてなんか…」

波の音だけが静かに聞こえる。

「寒くなってきたね…。帰ろっか」

24センチの私の小さな足に君の27センチの靴を履く。

私が君の靴を履いて行けば、どこだって2人で行った場所になるから。