「行ってきま〜す」

そう言って私は自分の小さな足に不釣り合いな靴を履く。

「今日はどこに行ってくるの?」

居間から母の声が聞こえた。

「海」

「海?3月に?」

「うん。これで最後だから。じゃ、行ってきます」