「いらっしゃいませー」

レジの中からご挨拶。そこにいたのは、いつかの流星だった。

「いらっしゃいませ。お探しの品なら、今度こそあるかと」

「ああ、その節は失礼した。このコンビニに泥を塗るような真似をして」

「いいえ、ちゃんと用意できなかったこちらが悪いのですから」

「……そういう問題でもないさ。そう簡単に取り寄せられたら、それは悲しい」

「…………お客様?」

「あ、失礼。実は別用で、遠出をするのでその支度をしに」

「はい、畏まりました。遠出となると、どちらまで?」

「北欧時代の空まで。正直、普通の装備だと怖いから」

「それではこのお店自慢の道具を揃えておきますが、お時間を一日ほど頂いてよろしいでしょうか?」

「……そうですね。急ぎはしませんから、大丈夫です。でわ、またこの時間に」

そう言って流星は出て行った。

なんて珍しい方でしょう、時代を越えて流れられる星なんて数えるほどしかいないと言うのに。

余程有名な方なのでしょう、さもなければ異なる時代と地域には飛べないから。

ただの星はあるがままに、人間で言うところの一般市民。

きっと彼は古い時代からの、人間で言うところの英雄。

相応の物を差し上げましょう。

素晴らしき剣を、素晴らしき盾を、素晴らしき装備を。