「いらっしゃいませー」

元気な声が店内に木霊する。

一台しかないレジの中には、たった一人の女性。

見慣れない和服を着た、見慣れた定員さん。

顔馴染みの来客者は思っただろう。いつもとは違った、その雰囲気に。

幸せが含まれていることを。

明日は七夕。年に一度、二人が出会える日。

久しぶりに会えるあの人のことを思い、ご機嫌にレジを打っている。

ここはコンビニ、揃わない物は何もない。

たった一人の星が求めた大切な出会いは、

確かに、このコンビニにあったのだ。


そこは夜空のコンビニ。決まり文句はある一節。

『揃わない物は何もない。貴方の願いが叶う場所』







――――Fin