パーティーの片付けをしてから解散した後に崇は暁と帰っていた。
「……崇。」
「ん?」
「俺の代わりに東病院に寄ってくれる?俺が行ったら何が起こるか分からないし。俺は先に家で待ってる。」
「……分かったよ。じゃあここから一旦分かれる。」
そう言って崇は東病院の方へ歩いていった。そしてふと気付いた。
―――荷物は暁くんが持っていってくれるかな?
「……暁……くん?あいつまさか……。」
胸の中に不安を覚えつつも崇は東病院に着いた。そして看護婦に東先生をお願いした。するとすぐに東先生が居るという部屋に案内された。そこには那由多がいた。
「那由多……腕大丈夫か?」
「崇。うん、大丈夫。手当てしてもらったから。」
「……窓でも突き破ったんですか?」
東先生がそう尋ねると那由多は渋い顔をした。
「ちょっと取り乱したの。あの日の記憶を全部はっきりと思い出したの。それで……今度は死ぬ思いするものかってそのままドアの窓を破った。」
「そっか……お前は……よく頑張った。今日は皆で誕生日を祝えなくてごめんな。」
崇の言葉に那由多は首を傾げた。
「あ、いや……。今日……誕生日パーティーしようと思ってたんだけどまた嫌な思い出が出来たから……。」
「そっか……なおさらごめんね。」
と、東先生が那由多の右腕に包帯を巻く。あちこちに貼った絆創膏が外れないように、だろう。
「……」