那由多は遥と歩いていた時、誰かに腕を引っ張られた。


「!?」


 あっという間に私は何者かによってどこかに放り出された。


「!」


 そこは屋上で寒かった。後ろを振り向くとそこには女子がいた。九年前のあの光景が重なった。


「高嶺の花で王子様に気に入られたからって調子乗るなよ!ここで頭冷やしとけ!」


 そう言って女子は屋上のドアを閉めた。鍵のかかった音がした。


「嘘……でしょ?……嘘っ……!」


 那由多は九年前のあの日を思い出した。


「嫌ーーーーーーっ!」