「はぁー……後少しで文化祭終わるー。」
「だな。うちのクラスの出し物って演劇であんまり時間費やさなくても良かったしな。」
「うん。」


 暁と並んで歩いていると遥が向こうから走ってきた。


「なーゆたっ♪」
「遥?」
「後は私と回ろ!」


 那由多は遥に引きずられて人混みに消えていった。暁は微笑んでパーティー会場へ向かった。先生方に事情を話すと快く教室を貸してくれた。会場へ着くと崇と三人組がすでに準備をしていた。


「順調だよ!」
「良かった。プレゼントの山がすごいな。」
「後で隠すよ。」
「それより暁。ここを手伝ってくれよ。」


 崇に言われて俺は手伝いを始めた。




―――一時間が経った頃、誰かが廊下を走ってきた。勢いよく開けられたドアの向こうには遥がいた。


「那由多は!?」
「え?一緒じゃ……。」
「それが……いつの間にか居なくなっていたの!どうしよう……私……!」


「落ち着け。どれくらい時間が経過してる?」
「……30分……。」


 それを聞いたとき、教室の前を女子達が通っていった。


「いい気味~♪」
「屋上で頭冷やしてればいいのよ。」
「そうそう!」


 その場にいた全員にある事が思い浮かんだ。