―――二月十四日まで後二日。


「はぁー。寒い!」


 遥は那由多と二人で帰り道を歩いていた。今日は暁と崇が那由多へのプレゼントを買いに隣町まで行っているので遥が一緒に帰っていた。


「……遥、私ちょっと怖い……。」
「大丈夫だよ。今年は文化祭だし皆と一緒だよ。」
「うん……。でも私……。今年もどうか何も起こらないように、と願わずにはいられない。」
「大丈夫!あ、そうだ。私那由多の所に泊まろうか?」
「それは……大丈夫。心配かけちゃってごめんね。」


 那由多はそう言って笑った。遥はこの笑顔を見て切なくなった。