―――二月十四日まで後6日。
那由多はため息をついた。迫ってくる日に少しずつ怖くなってきた。
ピーンポーン
「……?」
ドアを開けるとそこには暁がいた。手にはタッパーを持っていた。
「トマトのチキン煮込み作ったんだ。初めて作ってうまくできたから自慢したくて。」
「……今ちょうど作ろうとしてたの。間に合って良かった。今からそれ作ろうとしてたから。」
「まじか!……一緒に食べてもいい?」
暁はそう言った。那由多は頷いて暁を招いた。
「……!美味しい……。」
「そう?ちょっと酸っぱいかな?と思ってたんだけど。」
「これぐらいが美味しいよ。うん……!美味しい……♪」
那由多の笑顔を見て暁はほっと微笑んだ。
「今度は私が何か作るね。うーん……。何にしようかな……。」
「楽しみにしてる。那由多の料理どれでも美味しいから。」
「……今度は苦く作ろうかな……。」
那由多は微笑んだ。