―――季節は巡ってもう二月になった。那由多は遥と以前よりも親しくなって三人組とも連絡を取り合って遊びにたまに出掛けているらしい。


「そろそろ二月十四日だ。その日は……俺達の学校の文化祭なんだ!」


 崇が三人組に言っていた。そう、そろそろ二月十四日がやって来るので三人組が放課後にやって来たのだ。那由多に秘密で誕生日パーティーをしようという計画だ。その日は文化祭なので夕方になるが。


「そっか……。今年は絶対嫌な思いはさせない。あ、パーティーの準備はこっちで任せといて。三人は那由多を一人にしないでね。」


「ああ。」


 三人は頷いた。二月十四日まで後一週間。那由多はこの頃口数が少なくなってきている。とても不安なのだろう。


「俺からも……何かあげたいな……。そう言えば……。」


 暁は那由多が一番喜びそうなものを思い出した。