「呼び出して悪かったな。」
「別に……。崇の事だからこういうことだろうとは思ってたし。」


 那由多はそう言って墓の前に花束を置いた。そしてしゃがみこんで手を合わせた。


「北條さん。」
「東先生?どうかしました?」
「えっと……親戚の薫さんがいらしてますが。」
「……薫さん?どうせ遺産相続でしょう。その話は私が高校卒業してからと言ったはずなんですけど。」
「でしたよね?わかりました。話は私がつけてきますね。……北條さん。そんな顔してたら可愛く見えないですよ。」


 東は笑って言いながら去っていった。

「そんな顔って……うるさいなぁ。学校のあれは猫かぶりなんだし、ねぇ?天都君?」


「……確かに前そう言ってたよな。」
「……で、崇は何が目的?」


 あ、そうか、と言って崇は三人組と遥を見た。