桜庭公園には崇と遥と修学旅行の時の三人組がいた。

「来たな。申し訳ないがとんぼ返りだ。」
「はぁ!?」

 崇にそう言われため息をつく。

「あ、記憶力のないお前に教えてやる。こっちが心結で志乃、穂香だ。」
「ご丁寧にどーも。でとんぼ返りしてどこに行くんだ?」
「教えねぇよ。お前の家に行かないことだけは確かだ。」



 崇はそれだけ言った。そうなら那由多と合わせるのではないようなので安心した。





 



「こっ……ここは……。」


 崇に連れてこられた場所を見て暁はその建物を見上げた。真っ白な建物。


「東病院……。」


 そこは病院だった。すると崇が病院の裏へと行った。俺たちは慌ててついていく。茂みをかき分けたり、けものみちをぬけていくと、目の前に草原が広がった。


「ここは……。」


 草原には白い物体が地面から生えたように並んでいた。


「東病院の共同墓地よ。私の姉もここに眠っているわ。」


 声のした方を見るとそこには那由多がいた。遥達が肩をびくりと震わせた。