何て言う偶然……。暁は那由多と鉢合わせした。あの話を聞いたあとだと余計に気まずい。

「……東先生から話を聞いたの?」
「あ、うん……。」
「さっき東先生に会ったからその時に謝られたの。でも天都君だからまだいいかな……。遥達に知られたら困るからあんまり言わないでね。」

 那由多はそう言った。

「……那由多はどうして俺なんかと仲良くしてたんだ?」
「私は誰も信じられなくなって……どうしようか悩んで……トラウマを克服するしか無いってここに戻ってきたの。天都君と偶然クラスメイトになって……。あの時の女子達が憧れた人ってどんな人なのかなって思った。どんな人なのか知るために仲良くしてた。」


 暁は微笑んだ。


「……那由多。話がしたいからこれからどこかでお茶しない?」
「うん……。昔私が贔屓にしていたお店があるの。そこにしない?」

 暁は頷いた。まずは話そう。そうして分かり合ってからリセットするんだ。