崇は三人組と遥を帰した。

「……暁?」
「崇。俺は那由多にとっては……いじめられた原因なのか?」
「そうだろ。ほとんどの女子達がお前に憧れて群がってた頃だ。そんなときにお前と同じ班になったり掃除当番になったりして女子から羨ましがれてたんだ。悠紀乃にとっては暁がいるだけで私がいじめられるってその頃は分かってた。」


 崇は優しい口調で言ってくれた。でも心の中では怒ってるんだと思うと何も言えなくなった。


「でも……あの日は無いだろ。一応二月十四日は悠紀乃の誕生日だったんだ。」
「え?」


 そんな日に屋上に閉じ込められるのは酷すぎる。本人にとって最悪だったのだろう。


「じゃあ……何で転校してきてからは仲良くしてくれたんだ?普通……避けないか?」
「トラウマを克服したかったんだと思う。修学旅行だったのに何かごめん……。」
「……崇。俺は那由多を好きで居ては駄目なのかな?また同じことを繰り返すんじゃないか?」


 俺はそう思った。