「うげっ。多いな。」
「他にも修学旅行生いたんだね。びっくりしちゃった。」

 遥と崇はそう言った。

「あれ?天都君だ!」

 後ろから声をかけられて驚いた。振り向くとそこには見知らぬ女子三人組がいた。でも誰だか分からなくて崇を呼んでしまった。

「あ?お前らは……。」
「心結(ゆい)ちゃんに志乃ちゃん、穂香(ほのか)ちゃんだ!」

 遥が声をあげた。俺は驚いて首をかしげる。

「忘れちゃったの?小学校の時の同級生だよ!」
「ああ……ごめん。小学校の事はあんまり覚えてないな。」


 苦笑いしていると心結の方からとんでもない爆弾が投げられた。





「……――あなたは北條さん!?」


 それは那由多に向かってだった。俺と遥は驚いて那由多を見つめた。


「……久しぶりね。佐倉心結さん。」
「どうしてここに……。」
「私また戻ってきたの。今年転校して帰ってきたんだ。……崇。私は先に部屋に戻るね。」


 那由多はそう言ってその場から去った。いきなり過ぎてよく分からなかったが崇が厳しい顔をしていた。そして遥と心結達が怯えたような顔をしていた。


「……暁。お前……覚えてねぇのか?北條悠紀乃(ほうじょう ゆきの)。」


 その名前を聞いた瞬間に昔の記憶がよみがえってきた。