「初めまして。今日から転校するそらのきなゆたです。漢字ではこう書きます。」

　その転校生は黒板に綺麗な字で書いていった。


『颯簷　那由多』


　そして転校生は微笑んだ。全く緊張していないようでむしろワクワクしているかのように思えた。

「じゃあ……席は天都暁(あまつ　さとし)君ね。」


　聞き流してたら担任が呼んでいるのは俺だということに気付き、慌てる。そして席を立った途端に転校生の顔が少し変わったような気がした。


「……天都暁君。放課後に学校案内してあげてね。」
「はーい。」


　そう返事すると転校生はこっちの方へ歩いてきてこう言った。

「天都暁君、宜しくね。」