だけどこの年に
なってから
一度も言ってない。


ううん。


言えないんだ。


恥ずかしいし
翔平が好きだから。


あたしが一人
考えていると
翔平が声をかけてきた。


『おーい、大丈夫か?』


…ッッ!!


顔が近いっ!


だって顔と顔の距離が
20センチぐらいしか
離れてないんだよ!?


近すぎでしょ!


あたしはバッと
顔を背け、
別に…と答えた。


あぁ…
なんて可愛くない女。


翔平の前だと
素直になれない
自分がいる。


あたしは一人で
落ち込んでいた。