あたしの家につくと、
翔平はあたしを
原付から下ろしてくれた。


『風邪引かねぇようにな』


「うんっ」


あたしは黒の
パーカーを
翔平に返した。


「ありがとね」


『俺、男だから♪』


そう言って
2人で笑った。


『じゃ、俺帰るわ』


「うん、バイバイ♪」


あたしが家に
帰ろうとしたとき、
翔平に腕を掴まれて
引き寄せられた。


ギュー…───。


え?え?え!?


あたしは今、
翔平の腕の中にいる。


「っ…あのっ」


『ごめん…もう少しこのままでいさせて…』


どのぐらい
経ったんだろう…。


翔平の腕の中は、
スゴく温かかった。