ビュゥゥゥ…──。


2人の間に会話はなく、
風の音が
するだけだった。


翔平
あんたの考えてる事
全然解んないよ…。


その時


キキーッ


翔平が原付を停めた。


「しょ…翔平?どうしたの…?」


『っ…はぁ…っ…ごめっ…薬飲んで…い…い?』


えっ?


とりあえず今は
喋れる状態じゃないし、
あたしはうんって
答えた。


しばらくして翔平は
落ち着いてきたらしく、
ごめんなって言って
微笑んだ。


「ど…したの?病気?」


『…風邪だよ!心配させてごめんな!』


そう言ってまた
原付にエンジンをかける。


この時、
これが嘘だと分かったら、どれだけ
良かっただろう…。