すると翔平は
バッと後ろを向いて
呟いた。


『ちゃんと捕まってろよ…』


そんな翔平に
あたしはもうメロメロで。


もう一度翔平の腰を
ギューってした。


「出発〜!」


あたしがそう言うと
翔平は原付を
発進させた。


ビュゥゥゥ…──。


ただ2人の間を
通り抜ける風の音が
するだけ。


あたしと翔平は
一言も話さない。


あたしが
何か喋んなきゃ…
と思っていると


沈黙を破ったのは
翔平だった。