ピンポーン


あたしは翔平の家の
インターホンを鳴らした。


ガチャ


『来た来た。ちょっと外出よ♪』


なんだろう。


あたしは
言われるがままに
翔平のペースに合わせて
外へ出た。


ちょっと寒いかも…


それもそうだ。


今は11月の半ば。


寒いに決まってる。


あたしは少し
身震いをした。


『さみぃだろ。コレ貸してやるよ』


そう言って
あたしに渡してきたのは
自分が着ていた
黒のパーカーだった。


「い、いいよ。翔平も寒いじゃん」


否定したけど翔平は
あたしに無理矢理
パーカーを着せた。


「…ありがと…」


『ん』


そう言って翔平は
あたしを原付にのせた。