幸いにも成績の良かった俺は結局、特にお咎め無しだった。


もちろん、注意は受けたけど停学になる事もなく、普段の学生生活を送ることとなった。


恐らくはうちの親が多額の寄付金を入れたのだろう。


うちの親父は地元ではそこそこ有名な会社を経営している。


地域に密着した企業という事もあり、何かにつけて寄付金は怠らない。


そんな背景があって俺はあんな事があってものうのうと学生生活を送っていた。


彼女は夢を絶たれたというのに俺は……。


平凡に暮らしている自分が苦しかった。


自分の無力さに嫌気がさした。


俺はもう人を好きになるのは止そうと思った。


もう失うのはごめんだ。


あんな思いをするくらないなら、初めから特別な存在なんか作らなきゃ良いんだって。


俺は恋をする事を諦めた。


と同時に恋で遊ぶ事にした。


決して本気になることの無い遊びの恋。


いつ終わっても痛むことのない恋。