勢いよく私は頬つねってみた。

…痛くない。
確かに夢の中かもしれない。

「私はいつでも君の近くにいる…いつでも…どこでも…」

次の瞬間サァーと周りが明るくなり目の前が白くなり意識が飛んだ。

ーカチッカチッカチッ…

また時計の針が聞こえる。

それと自分の部屋の匂い。

明るい…。

「…つ……つばさ……つばさ!…」

誰かが私を呼んでいる。聞き慣れた声だった。

私は重ぐるしいまぶたをゆっくり開けた。
「つばさ!よかった!母さん!つばさ起きた!」

…おねいちゃん?

私には一人の姉がいる。姉と二人姉妹だ。
しかし姉は26歳。年も離れていて小さいときしか関わっていなかった。

姉は一昨年にある男の人と結婚し、家を出て行った。
…なのに…なんで?