「それからお礼が言いたかったんだけど、つばささんに話をかける勇気が出なくて…気づいたら引っ越してた。」

…寒い。思い出話をされても私はこれっぽっちも覚えてない。

「…好きだ。」

突然蚊の鳴くような声で真也くんは言った。

「俺…つばさのこと好き。」

…好き?like?

「ありがとう。私も好きだよ。」
と返すと、真也くんは違う違うと自分の頬をパシパシと叩いた。