「見てればわかるよ。」


彼女は僕の顔を見て微笑む。


『いや、あの、でも…違う…』


こんな事を言われたのは
初めてだった僕は
うかつにも冷静さを失い
あたふたしていた。


そんな僕を見て彼女は
クスクス笑っている。


「大丈夫。誰にも言わなから。
ねぇそのかわり…惣太君って
呼んでもいい？」


『べ、別にかまわないけど…』


「じゃあ私の事は
由里って呼んでねっ！」


『えっ…いきなり
呼び捨てはちょっと…』


「仕方ないなぁ。じゃあ
由里ちゃんでいいから。ねっ！」


彼女が再びニッコリと微笑む。
すっかり彼女のペースに
はまってしまっていた。


「今からスタートね、惣太君。」


僕の耳元で囁く。
そこへ
沙織たちが戻ってきた。



＊‥＊‥＊‥＊‥＊‥＊‥＊‥＊